お客様の声(昭和精工 代表取締役社長 木田様 インタビュー)

昭和精工 代表取締役社長 木田様

インタビュー

BIPC: 本日はインタビューにご協力頂きまして誠にありがとうございます。昭和精工様は弊社から「海外営業ご支援」、「国内営業改善ご支援」をさせていただく形で、2012年より長い付き合いをさせて頂いております。本日は弊社との取り組みに対して率直なご意見を頂ければと思います。

海外の展示会場で羽織袴を着て日本の金型メーカーのパンフレットを1ブース1ブース配ってくれる姿を目にしました。
その熱意に絆されたことが、依頼した本当のきっかけかもしれないですね。

BIPC:最初にお聞きしますが、BIPCと昭和精工・木田社長はどのように出会ったのでしょうか?

木田様: 私の講演会に、代表の茄子川さんが聞きに来られた時に名刺交換をして、その際に「金型業界を応援したい」と声を掛けられ、その時からの付き合いになります。

 

BIPC:金型業界を支援している企業というのは、他にお聞きになったことがありますでしょうか?

木田様:工作機械メーカーなど金型業界に関わった方がコンサルタントをされているのは聞きますが、これまで大手商社に在籍し、金型とは無縁だった茄子川さんが「日本の金型を応援したい」と言われたのでこちらも興味を持ちました。

 

BIPC:昭和精工様からBIPCに最初にご支援を依頼いただいた背景を教えていただけますでしょうか?

木田様:昔の話なので忘れてしまいましたが・・(笑)私が(一社)日本金型工業会東部支部の若手経営者の会である天青会に所属していた時のことです。狭山金型の大場社長と共に日本の金型を海外に広く紹介する活動を行っている中で、茄子川さんが商社出身ということで、海外とのビジネスに対するノウハウを持っているのではないかと考えて、海外展開支援を依頼したことがBIPCさんと活動を行う最初の機会でした。支援の内容は、主に商談会のコーディネートなどです。

 

BIPC:御社の当時の海外展開状況について状況をお聞かせいただけますでしょうか?

木田様: BIPCさんと出会ったときは、基本的に売上のすべてが国内でした。海外に対して必要性は感じていましたが、実際には何もしていない時代でした。ただ、お客様は昭和精工の金型を国内で購入して海外工場に輸送し、海外生産を行っているので、今後はお客様の金型現地調達化が進んで当社の受注が減少してしまうのではないか、という危機感が生まれました。そのため、海外展開を考え始めました。

 

BIPC:その中で、弊社に支援をお任せいただく前に懸念があったと思いますが、当時どう思われていたかご記憶されている範囲で教えていただけますでしょうか?

木田様:「営業支援」のような費用対効果がすぐに表れないサービスに対し、「本当に仕事をお願いしていいのか?」という不安がありました。そんな時に茄子川さんが、天青会の商談会が行われる海外の展示会場で、羽織袴を着て熱心に日本の金型メーカーのパンフレットを1ブース1ブース配ってくれる姿を目にしました。その熱意に絆されたことが、BIPCへ当社の海外展開支援を依頼した本当のきっかけかもしれないと思っています。

 

BIPC:そこでBIPCであればやってくれるのではないか、という期待を抱いていただけたということでしょうか?

木田様:一緒に汗をかいてくれるのではないか、という期待を持ちましたね。

 

BIPCさんがコミュニケーションに対して弊社の垣根を下げてくれた、というのが昭和精工の海外展開が進んだ一番の理由だと考えております。

BIPC:ありがとうございます。ここまでは、お付き合いを始める前についての背景を中心にお伺いしました。ここからは、実際にBIPCの成果・感想について率直にお聞きできればと思います。まずは、定量的な側面について、「どのくらい売上効果があったのか?」をお聞きかせいただければと思います。

木田様:今までほぼ無かった海外からの仕事が、現在は売上全体の約3割になりました。それらすべてがBIPCさんの手柄ではありませんが(笑)、当社がそこまで海外からの仕事を受注できるようになったのは、BIPCさんのおかげだと思っています。

 

BIPC:国内活動の営業改善についての効果はいかがお考えでしょうか?

木田様:コーチング、コンサルティングそれぞれの機能を果たして頂いていると思っています。コーチングでは、経営者の立場から社員へは相談できないことを聞いてもらえる相手として、本当にありがたい存在であると感じています。コンサルティングという観点では、営業部内での情報共有に良い変化があった点を評価しています。今までの営業というのは、一匹狼タイプが多く、我関せずの雰囲気がありました。当社は自動車・食品容器がメインの顧客ですが、BIPCさんとの活動を通し、その業界を跨いだメンバー同士がグループとして情報共有しながら活動するようになった点を評価しています。「週に最低1回は上司が部下とのミーティングの場を設けて部下との情報共有を図る」、「手書き日報を電子化してどこでも日報が書けるようになり、長期出張中であっても全員の営業行動が把握できるようになった」などが変わった点です。

 

BIPC:今後、国内面で期待する役割はどのようなことでしょうか?

木田様:当社は、平成19年(2007年)に父から私たち兄弟へ経営のバトンタッチが行われましたが、恐らく父はリーマンショック(2008年)の発生を想定できていなかったと思います。バブル経済崩壊後の失われた10年の時代になかなか右肩上がりのカーブを描くことができなかった後、リーマンショック前までは業績が好転して右肩上がりになり、バブル経済崩壊直前に記録した売上高のピーク20億円近くまで回復しました。こういう状況であったため、父は事業継承の時期と考えたのだと思いますが、経営を交代した矢先にリーマンショックが起きて売上が激減してしまいました。BIPCさんへの期待としては、このように外部環境に振り回されずに常に業績が右肩カーブを描けるように支援していただきたいというのが一番の要望です。現在の売上の推移はジグザクではありますが、右肩上がりに推移しています。日本の外部環境と当社の規模を考えると仕方が無い側面はあると思っています。コンサルティングを受けていなければガタガタと下がっていたかもしれませんね。

 

BIPC:次は、海外活動に戻ってお伺いさせていただきます。海外売上比率が増えたというお話がありましたが、御社とBIPCとの取り組み内容を簡単に振り返って教えていただけますでしょうか?

木田様:海外にPRするために私どもの技術を紹介する資料をBIPCさんと作成、ある時は展示会に一緒に出展、またある時は海外のお客様に一緒に出張して通訳をしていただく。また、国内においても当社に来社する海外のお客様の通訳をしていただいています。こういった活動から、BIPCが、海外企業とのコミュニケーションに対して垣根を下げてくれたというのが、昭和精工の海外展開が進んだ一番の理由だと考えています。

 

BIPC:以前も海外展示会への出展や、海外からの来客というのがあったと思いますが、そこでの反応というのは何か変わりましたでしょうか?

木田様:以前ですと、お客様自身が通訳を連れてきた場合に、「お客様が通訳者を連れてくるから、通訳もお願いしよう」という感覚がありました。しかし、やはりこちらが主導権を握って会話するには、昭和精工をよく知っている方が当社の立場になって通訳していただかないと、本当の商談はできないなと感じています。そのため、最近では常にBIPCさんに海外顧客の対応をお願いしています。

また、それまで海外のお客様に対してアレルギーがあったわけではないですが、言葉ができない、通じないということが原因で海外のお客様に対して積極的ではなかったところが、BIPCさんがいてくれることで、海外営業に対して積極的になったという社内的な変化がありました。そもそも、金型のビジネスというのは最初の打ち合わせからの時間軸が非常に長いです。まずはファーストコンタクトをしてから、様々な打ち合わせがあります。BIPCさんは昭和精工担当を決めて一貫して同じ担当者をつけてくれるため、お客様と連続したコミュニケーションを取ることができます。同じ通訳者から説明をすることによって、お客様が当社に対して信頼感を持っていただけることは、非常に重要だと思っています。

自分たちの技術を海外の物差しで見ることができるのが、
BIPCという存在であると考えております。

BIPC:ありがとうございます。ここからは今後の話についてお聞かせいただきたく思います。まずは、昭和精工様の今後の成功ビジョンについてお聞かせいただけないでしょうか?

木田様:今後も私どもは売上の規模を求めていくということではなくて、安定した売上、雇用を維持していくということが経営の原則になります。今年は創業63年目になりますが、100年企業を目指しています。会社経営を維持するために国内でしっかりものづくりをすることが根幹ですが、国内だけで現在の売上を保てるのかを考えると難しいため、海外売上も必要になります。大事なことは井の中の蛙にはなってはいけないということです。そのため、欧米の現状をしっかり把握し、アジアで言えば中国・韓国・台湾などのレベルアップについても注視する必要があります。その状況に対して昭和精工がいつでも優位に立てるようにするにはどうしていかなければならないかを考えていくと、国内の情報収集も大事ですが、海外の情報もしっかり入手してそれを経営に活かしていこうと思っています。

 

BIPC:今後の金型業界の展望について、木田社長の考えをお聞かせいただけますでしょうか?

木田様:現状維持と言うと非常にネガティブな印象を与えてしまうかもしれませんが、自分のイメージだと、金型企業規模を1とした場合、量産企業であれば100倍の企業規模を支える金型を供給できる能力があると思っています。例えば、10億円規模の金型企業が供給する金型で、1000億円分の製品が生産できる。金型企業は量産企業からすれば、企業規模は小さいですが、その小さな企業が提供する金型はそれだけのアウトプットがあり、価値があるものです。他の業界の人からすれば、金型業界は中小零細企業の集まりの様に見えるかもしれませんが、その企業規模に100倍をかけられるくらい世界経済に影響を与えられる企業集団だと自負しています。企業規模が小さい分、外部環境の影響を受けやすく安定した経営を行う事は難しいですが、100年、200年も続く企業を目指しているので、これからもBIPCさんの協力に期待しています。

 

BIPC:ありがとうございます。上記に加えて、他にもBIPCに今後の期待があれば教えてください。

木田様:BIPCさんは海外経験が豊富なので、「海外のものさし」を持っています。日本のものづくりは「すごい」と言っていただけますが、多くの企業の売上が上がっているわけではありません。統計から見ると日本の金型企業の数は減り続けている状況です。自分たちの技術を自分たちの物差しで見るだけではなくて、ドイツの金型のレベルの物差しで見るとか、中国のレベルの物差しで見るなど、優れている部分は更に伸ばし、足りない部分は努力して改善していく活動を行わなければ現状維持もできません。「海外のものさし」で見ることができるのが、BIPCという存在であると考えており、金型業界を支えると言っても、内側から支えるだけでは倒れてしまうので、外から引っ張ってもらうという意味で、BIPCさんに期待しております。
あとは、日本の中小企業を応援していくんだというその思いを忘れず、新鮮さを失わなわずに活動して欲しい思っております。

 

BIPC:社員一同初心を忘れず、引き続き努力していきます。本日はありがとうございました。