事業革新パートナーズは、(一社)東京都金属プレス工業会(TMSA)が東京都並びに東京都中小企業団体中央会より委託を受けて実施している「デジタル技術を活用した販売力強化プロジェクト」に参画しています。海外研修事業として、2025年3月、台湾貿易センターTAITRA及び台湾機械工業同業協会TAMIが共同主催する「台北国際工作機械見本市(TIMTOS)」に、取材クルーを派遣し、情報収集及び情報発信を行いました。
2025年3月2日~5日の4日間、台湾へ「TMSAミッション団」3名を派遣した。3月3日~8日、台湾貿易センターTAITRA及び台湾機械工業同業協会TAMIが共同主催する「台北国際工作機械見本市(TIMTOS)」への訪問と、台湾板金経営協会・元理事長会社であるBLIKSEN社(台南)への訪問が主なミッションである。
【地図】
台湾経済部統計によると、工作機械輸出額は2023年から大きく減少している。工作機械重要部品の輸出額は工作機械ほど減少してはいないものの、低価格のミドルエンド部品を手掛ける中国メーカーの台頭や、ハイエンド部品を手掛ける日本メーカーの値下げなどにより、台湾の工作機械重要部品メーカーは厳しい状況に立たされている、という。
【台湾 工作機械設備製造業の輸出入推移】
出典:https://www.ys-consulting.com.tw/research/119106.html
一方で、電子製品に対する需要の復活やAIの普及により、全体的な景気は上向きである。このような状況を踏まえ、TMSA台湾ミッション団をスタートさせた。
- ■ TIMTOS 2025 展示会 視察
今年で30回目を迎える「台北国際工作機械見本市(TIMTOS)」は、南港展示センターホール1と2、台北世界貿易センター展示ホール1の3会場に分かれ、合計6,100小間、1,000社以上が出展。90か国から4,163人が来場し、前回より5.1%増であった。バイヤー上位5か国はインド、日本、中国、韓国、マレーシアで、日本、インド、ベトナム、フィリピン、マレーシア、ブラジル、メキシコの代表団が参加した。
VIPとしてオープニングセレモニーに招待された我々TMSA視察団は、予め決められた座席(舞台に向かって左後方)に着席。最前列には、FANUCの稲葉会長が来賓として着席され、我々の一つ前列には、日本鍛圧機械工業会(JFMA)の事務局メンバーが着席されていた。セレモニー会場は数多くの報道陣で取り囲まれており、入場にもセキュリティチェックが必要で、式典が小規模であったわりには厳重な体制であった。
それもそのはず、セレモニーには、頼清徳台湾総統、郭智輝経済産業大臣をはじめ、スイス、ドイツ、アメリカの工作機械関連協会会長など、数々の要人が列席されていたのである。また、台湾のAI時代の到来を表すかのような、電飾まばゆい背景の演出も大変印象的であった。
最初に入った南港展示第1ホールでは、山善、マキノフライス等を含む日本企業のブースや、USA、ドイツ、スイスといったインターナショナルパビリオンが集められており、工作機械、工作機械部品を中心とした展示物が並んでいた。
切削機械などは、見上げるほどの大型の機械が多く、中国本土や米国への輸出を狙ったものと思われる。日本で使用するようなサイズ感ではなかった。
今回の展示会は、「AIとロボット」、「未来のインテリジェント・マニュファクチャリング」、「グリーン・サステナビリティ」の3つが主要テーマとなっており、テーマを強調した展示も見られた。下記のコマのように、Green Energy(緑色節能)、Smart Connect(智慧連戦)、Smart Processing(AI智能)などの表現が目立ち、展示されている機械を使用すれば、ユーザーはインテリジェント製造とネットゼロカーボン排出の目標を達成できるとうたっていた。
TIMTOS最大ブースとなる友嘉実業集団(FFG: Fair Friend Group)では、大手産業用PCメーカーのNEXCOMグループと提携し、「グリーン工作機械(緑色工具機)」「AIoTスマートソリューション(智能解決方案)」と題して、環境にやさしい工作機械向けのAIとIoTを駆使したスマートソリューションを共同開発すると発表していた。
3月4日の経済日報によると、NEXCOMグループの林会長は「世界の産業がインテリジェンス化とネットゼロ炭素排出へと向かう中、AIとデータは製造業の変革の重要な原動力となっている。NEXCOMはFFGと協力し、AIoTとデジタルツイン技術を通じて、よりスマートで効率的、かつ省エネなソリューションを生み出し、企業が将来に備えることを支援できることを光栄に思う。この協力により、工作機械業界が真にインテリジェントなアプリケーションを実現し、製造業の総合的なアップグレードを促進できるようになることを期待している」と語った。
出典:https://money.udn.com/money/story/5635/8585052?from=edn_subcatelist_cate

第2ホールに入ると、AI、制御システム、スマート製造がテーマとなり、FANUCの黄色い小間が目に入る。FA向けのソリューションを提供する協同ロボを中心に、モニターが多数壁に掲げられていた。
南港第2ホールの一角には、板金・プレスコーナーがあり、サーボプレスを含む各種プレス機や、板金加工機、アンコイラーなどが少数ではあるが展示されていた。また、銅合金専業の鋳物メーカーも出展していた。
TIMTOSについては、3月4日の新聞に大きく取り上げられていた。台湾の金融・商業に特化した工商時報では、「台湾工作機械業界は3つの大きなビジネスチャンスを迎えることになる」との見出しで、①現地サプライチェーンへの地政学的な影響と現地建設の緊急需要、②トランプ2.0による米国製造業の再建、③ウクライナの再建により、台湾工作機械産業のビジネスチャンスに大きな期待を寄せているという。
事実、今年のTIMTOSは盛況だったようで、展示会後のプレスリリースでは、「デジタル時代にもかかわらず、対面でのやり取りは依然として重要だ。FFG は、自動車、航空宇宙、半導体、鉄道輸送、エネルギーにわたる 100 件を超える受注を報告した。Quaser は水素エネルギーと医療機器の受注で 10 億台湾ドルを確保し、Tongtai は超音波加工と積層造形で半導体市場に参入した。これらの進歩により、航空宇宙、半導体、EV、医療、グリーンエネルギー産業の主要サプライヤーとしての台湾の役割が強化される」と報告されていた。
(以上)