スペイン鋳造協会日本視察/通訳同行支援(日西英)

 2018年11月19日~22日の4日間に渡り、スペインの鋳造メーカー6社12名が東海地区から九州にかけて日本の鋳造メーカー5社を訪問しました。この視察ツアーは、スペイン鋳造協会(輸出部門)と日本鋳造協会が共同で開催されました。弊社は、スペイン鋳造協会視察団に通訳同行し、両国の鋳造業を取り巻く技術、環境、法整備に関する理解向上を支援いたしました。

スペイン北部のバスク地方には鉱山があり、鉄鋼業が盛んな地域とあって、多くの鋳造メーカーが存在しています。スペインは、フランス、ブラジルに次ぐ世界第8位の自動車生産国であり、また、ヨーロッパ第4位の自動車部品生産国であることから、部品を中心とした自動車産業向けの鋳造業が発展しています。ヨーロッパの西側に位置しているという地理的条件も活かし、ドイツ、フランスをはじめとするヨーロッパ諸国、また近年ではロシア、アメリカ、メキシコ含むヨーロッパ以外の国に対しても鋳造品の多くを輸出している輸出大国でもあります。

日本の鋳造メーカーとの技術交流では、特に砂型に使用する砂の材質に関する質問が多く飛び交いました。元来、スペインは環境に対する意識が高く、近年の法規制により人体に害の少ない砂に切り替える必要があることから、人口砂の開発や砂の使い分けに対する関心が高かったです。また使用した砂、鉄くずの再利用に関しても関心を示されていました。

滞在期間中は、日本の鋳造業を通して日本伝統の窯、五右衛門風呂の文化も紹介したり、厳島神社や姫路城などを訪れたりと日本の伝統文化、歴史も伝えることができました。