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【海外】バイオプラスチックに関わりながらロシアを想う

 弊社では新規事業である「バイオプラスチック」の研究・開発・製造・販売事業に注力する中、並行して既存事業であるコンサルティング活動を行い、様々な形で付加価値を提供できるよう尽力している。その中で、ロシアに関する知見を活かし、筆者は事業展開のコンサルティング活動に従事している。林野庁ウェブサイトによれば、世界の森林面積の20%超はロシアにあり、弊社のバイオプラスチックの材料は木材のヘミセルロースから成るため、中長期的にはロシアでの事業の可能性も真剣に検討する必要があると思っている。

 ところで、最近、日本ではコロナウイルス関連のニュースが四六時中流れているが、海外に目を向けると、ロシアではモスクワを中心にその脅威が増し、感染者が急増しているというニュースを日本でも耳にするようになった。3月末から急激に感染者数が増え、511日時点では、221500人超の感染者(快方者数:39863名、死者2012名)が発生している(図①)。

図①:ロシアにおけるコロナ感染者推移(出典:coronavirus-monitor.ru

 それに伴い、ロシアでは全国一斉休業措置(注:511日で終了の旨プーチン大統領が発言)や、一般の外国人の入国制限措置が出される等している。

 追い打ちをかけるかのように、原油価格が1998年の経済危機レベルの水準まで下がり、ロシアの通貨であるルーブルも大幅安となる等(図②③)、日本企業がロシアでのビジネスを行う上でのネガティブな要素も出ている。

図②:対ドルルーブル相場の推移(20141月~)(出典:露中銀ウェブサイト)

図③:対円(100円)ルーブル相場の推移(20141月~)(出典:露中銀ウェブサイト)

 そのような中で、ロシアのビジネス従事者はどのような動きをしているのだろうか。露独立系世論調査機関「レヴァダセンター」が2020424日~27日にかけて実施し、同30日に公開した世論調査の結果によれば、50%以上が、全国一斉休業措置発出後、労働形態等が変わったと回答しており、在宅勤務や休暇の取得(有給・無給)をする人達が出てきている(図③④)。一方、40%を超える労働者が、これまでと変わらず、通常通りに勤務しているとのことである。筆者も首都のモスクワをはじめ、様々なロシアの地域の企業の方とコンタクトを取っている。モスクワ等の都市部では、活動が制限されており、苦しい状況が続いている企業もある一方、地方を中心に、通常どおり動いている企業も意外と多いように感じている。特に、筆者が関わることが多い農業や食品と関連する企業でそのような傾向が見られるように感じる。

図④:「政府による全国一斉休業措置が出されたことにより、労働スケジュールは変わったか?」との質問に対する回答(職種ごと)(出典:露独立系世論調査機関「レヴァダセンター」によるアンケート調査)

図⑤:「政府による全国一斉休業措置が出されたことにより、労働スケジュールは変わったか?」との質問に対する回答及び「(変化があった場合)どのような変化があったのか」との質問に対する回答(全体)(出典:露独立系世論調査機関「レヴァダセンター」によるアンケート調査)

 ロシアは遠く、頻繁には訪問できないため、筆者はこれまでもスカイプやワッツアップ等のアプリを使って会議や情報提供・収集・提案等を頻繁に行うことで、関係性を維持してきた。コロナウイルス感染拡大により不透明感が強くなっているものの、これまでと変わらず動いているロシア人も意外と多く、こちらが何かを投げても、そこまで反応は遅くはないと感じている。不透明感は依然としてあるが、ロシアでは5月の大型連休が明けて、少しずつ出口戦略に向けて、動き出そうとしている。日本やロシアに限らず、制約が多い中でも、しばらく連絡していなかったロシア企業にメールを送る等のコンタクトはできるだろうし、出口戦略に向けて少しずつ動こうとしている中で、そういった地道なアクションが、回復した時の成果にも繋がるのではないかと考えている。現在、海外とのビジネスを行うには様々な制約があり、筆者も何ができるのかには日々悩まされているが、回復した先を見据えて、今できる対応を考え、具体的なアクションに落とし込めればと思う。

執筆者プロフィール

野口 健太

野口 健太 - ノグチ ケンタ -

大学、大学院及び前職の日本の政府機関でのモスクワ勤務時は、ロシア政治・経済の調査・分析に従事しており、ロシアに関して幅広い知見を保持。現在はASEAN地域、ロシアを中心に、農業・農業機械分野、機械・設備分野等、幅広い分野での海外展開支援業務(調査業務、コンサルティング業務等)に従事。特に、現場での生の情報収集とそれを基にした提案・コンサルティングに注力した活動をしており、国内外での講演実績も豊富。

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