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ロシア訪問を通じて見えたもの

 2017年11月、久しぶりにロシアへ足を踏み入れました。モスクワ勤務時代の前職で離任した2014年4月以来、約3年半ぶりの訪露でした。今回はロシアでのビジネス展開を目指す企業様に同行し、販売店視察、展示会視察&商談及び企業訪問&商談を行ってきました。ここでは、長年ロシアに携わってきた者として、訪露を通じて見えてきたものを複数の観点から書いてみようと思います。

 

回復途上にあるロシア経済


 ここ数年のロシア経済は、油価の下落等があり、マイナス成長でしたが、現在は回復基調にあります(図1)。2018年1月15日付「リア・ノーヴォスチ」は、2017年のロシアにおける経済成長率は、官公庁や金融機関等の予測を踏まえると、1.7%から2.2%に達すると報じる等、2017年にはプラス成長に転じることがほぼ確実視されています。


 ロシアの場合、これまで消費主導の経済成長をたどってきており、消費動向が経済を判断する上で重要な要素になります。その中で、自動車市場は一つ分かりやすい判断材料になります。2017年12月27日付「ヴェドモスチ」紙は、「ロシアの乗用車市場は、2013年~16年にかけて縮小したが、2017年春に転機を迎え、上昇が始まった。」と報じており、実際に2017年1月から11月の数値を見ても、市場の伸びが見て取れます(図2)。

 また、消費の回復も実態として見て取れるようになりました。実際に、2017年11月にモスクワ市のスーパーマーケットの視察を行いましたが、その日は祝日で、朝は客の数はまばらでありましたが、昼前になると客の入りが多くなり、レジに長い行列ができる等、活況が見てとれました(図3)。原油価格の低迷等不透明要素はありますが、上述のとおり、統計値及び実態を見ると、ロシア経済が回復途上にあることが見て取れました。

 

ロシア市場


 ロシア市場を見てみると、自国製品に加え、中国製品、欧米製品が多く市場に出回っておりますが、日本メーカーの製品は少ないイメージを受けました。ロシアの輸入相手国の上位は、2016年時点では、上位から中国、ドイツ、米国、ベラルーシ、フランスと続くなど、日本のプレゼンスはまだまだ小さいことが見て取れます(図4)。
また、今回の訪露で国際展示会を視察・訪問したところ、中国メーカーだけでなく、中国で製造したものをロシアで販売展開する商社機能を有した企業も数多く出展しており、貿易統計が示すとおり、中国のプレゼンスが大きいことが見て取れました。

 また、「高品質カテゴリー」で、欧米メーカーや欧米メーカー製のものを扱うロシアの商社も出展する等、欧米との繋がりが強いことも見て取れました(図5)。

 このように、貿易面での中国や欧米との結びつきの強さが展示会の出展状況や市場での製品の出回り状況にも表れている一方、今回の訪露を通じて、多くのロシア人が日本に対し、関心を示してくれることが分かりました。展示会でロシア企業のブースを突撃訪問し、会社概要や製品情報を説明したら、長い時間真剣に話を聞いてくれる企業が多く、具体的に関心のある製品を教えてくれる企業も数多くありました。実際に、対日の世論調査を見てみても、ロシアでは日本を信頼している人が多いことが分かっています(図6)。

 中国や欧米諸国と比較すると、ロシア市場において日本のプレゼンスはまだまだ小さいですが、実際にロシア人が日本に対し関心を示し、真摯に対応して頂けることが多いです。そのため、まずは現地に足を運んで、様々な方とお話をして、市場感を掴むことで、ロシアへのビジネスのきっかけにして頂きたいと訪露して感じました。

   

 

日露(経済)関係と今後の展望

 

 2018年3月に大統領選挙を控えていますが、政府系世論調査機関が行った世論調査の結果が示すとおり(図7)、プーチン大統領の当選は確実視されています。また、多くの日本のメディアが報じているとおり、2018年1月に安倍首相も「今年は5月に事情が許せばロシアを訪問したい。4島の帰属問題を解決し、平和条約を締結するため、一歩でも二歩でも前進させていきたい。」と発言しています。

 これらを踏まえると、これまでの動きに続く形で、日露両国の首脳間での交流や経済分野での交流が継続的に行われるものと推測できます。このような中で、経済も回復途上にあるため、日本企業にとってもチャンスがあるものと思われます。筆者もそうでしたが、ロシアの場合、行ってみないと分からないことが多々あります。今回はじめてロシアを訪問した企業様も、実際に行って商談を行ったことで、市場としての可能性を感じて頂いています。

 筆者としては、多くの企業様には、まずはロシアに直接足を運び、市場感を直接掴んで頂いた上で、ビジネス展開に向け活動を進めて頂きたいと考えています。弊社は、ロシア展開に向け、現地での調査から戦略策定・実行、契約締結までハンズオンで支援をしております。ロシア展開を考えている方、お困りの方がいらっしゃれば、是非弊社へご連絡下さい。持てる情報、ネットワークを駆使し、お力添えをさせて頂きます。

 

※このメルマガの内容につき、ご質問、ご要望等ございましたら、弊社までご連絡下さい。

 

執筆者プロフィール

野口 健太

野口 健太 - ノグチ ケンタ -

大学、大学院及び前職の日本の政府機関でのモスクワ勤務時は、ロシア政治・経済の調査・分析に従事しており、ロシアに関して幅広い知見を保持。現在はASEAN地域、ロシアを中心に、農業・農業機械分野、機械・設備分野等、幅広い分野での海外展開支援業務(調査業務、コンサルティング業務等)に従事。特に、現場での生の情報収集とそれを基にした提案・コンサルティングに注力した活動をしており、国内外での講演実績も豊富。

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