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NNA ASIA7月号特集記事にメキシコ金型産業に関する記事が掲載されました

アジア経済ニュース・NNA ASIAが発信する「NNAカンパサール7月号特集連動企画 メキシコはいま」の中で、トランプ大統領の影響下に置かれているメキシコ金型産業の現状に関する弊社代表茄子川のインタビューが掲載されました。 その記事内容をご紹介いたします。

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メキシコ金型産業に商機 広がるか裾野、求められる進出

完成車メーカーやティア1(一次下請け)がほぼ出そろい、ティア2(二次下請け)、ティア3(三次下請け)が不足するメキシコの自動車産業では金型関連メーカーの進出が求められている。同国への進出支援などを行う事業革新パートナーズ(BIPC、東京都中央区)は「日系企業だけでなく、欧米企業も顧客として開拓できる余地はある」と、関連企業に進出を呼び掛けている。【メキシコ取材班】

トランプ米大統領の保護主義的通商政策を受け、日本企業の間でメキシコへの新規投資をめぐり様子見ムードが広がっている。中小が多い日本の金型関連企業が、メキシコへの新規進出を決断するのは容易ではないが、BIPCの茄子川仁社長は「現地では欧米系企業を新規顧客として開拓できる可能性がある」と指摘する。メキシコの自動車産業界では金型メーカーや金型部品メーカー、表面処理、熱処理などの関連企業がまだ少ない上、日本企業の技術力が高く評価されているためだ。

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メキシコの金型産業について説明する茄子川氏

日本金型工業会(JDMIA)国際委員会社でもあるBIPCは2014年、JDMIAメキシコミッションを率いて現地の日米欧完成車メーカーや部品メーカー、金型関連企業を視察したのをはじめ、現在もメキシコ金型工業会(AMMMT、13年設立)と協力を進めている。AMMMTによると、メキシコでは必要とされる金型の97%を輸入に頼っており、自国で生産できるのはわずか3%しかないという。

■地場はわずか200社

AMMMTが設立された背景には、金型は米国などからの輸入品が中心で、自国の産業が育っていないとの危機感があった。AMMMTによると地場の金型メーカーは小物、中物を中心に約200社しかない。世界7位、359万台(2016年)の自動車生産台数と比較して圧倒的に少ないと言えるだろう。主要20社の従業員数は◇ワーカーが約950人◇設計者が77人◇製造エンジニアが63人◇CNC(コンピューター数値制御装置)のプログラマーが約100人――という。

地場の金型産業を育てるには、現在必要とされる分の3%しか作っていない国内生産を、外資系との合弁事業などで増やしていくのが早道だ。AMMMTも外資系との合弁事業を進めようとしている。茄子川氏はこの点について「欧米や中国の企業と組むケースが増えているが、日本企業をパートナーにする例はまだ少ない」と話す。

一方、メキシコ政府の支援を受けたAMMMTが音頭を取り、金型メーカーが多いケレタロ州に「金型技術学校」を設ける計画もある。AMMMTは5月初め、主催する「金型シンポジウム」を初めてケレタロで開き、日本企業も参加した。BIPCはJDMIA会員として、今年から来年にかけて現地で中小の金型関連メーカーとのビジネスマッチング、現地視察ツアーなどを行う計画を練っており、メキシコと日本の双方でメキシコ金型産業の振興を図る。

■中国が急増

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AMMMTの統計によると、2016年のダイカスト金型の輸入額は日本からが5,525万米ドル(約61億4,300万円)で首位。2位は米国の2,526万米ドル、3位はイタリアの1,956万米ドル。小物プラスチック射出成形金型の輸入額は◇米国が6,262万米ドル◇中国が3,794万米ドル◇シンガポールが1,182万米ドル◇日本が1,065万米ドル――。大物プラスチック射出成形金型の輸入額は◇米国が2億8,647万米ドル◇中国が2億1,663万米ドル◇カナダが1億8,580万米ドル◇日本は6位で5,125万米ドルだった。

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茄子川氏は「この3年ほどで低コストを武器に中国からの輸入が急増している。将来は米国を抜く可能性もある」と説明する。ダイカスト金型は日本からの輸入が最多だが、中国も1,131万米ドルで6位につける。「中国製金型の価格は日本製の5分の1程度と競争力がある。顧客もまずはテスト用として導入、問題がなければそのまま使用し、問題があれば日本や米国などから輸入しているようだ」と話した。日本や米国からの輸入額の伸びはほぼ頭打ちだが、中国からは毎年20~30%の伸びを記録しているという。

■日系に限らない

北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉が8月に行われる見込みであるなど、メキシコの事業環境には不透明さが残るが、欧米系の金型関連企業は地場との合弁に積極的とされる。茄子川氏は「まだサプライチェーンが完全にできあがっていない今こそチャンスがある」と指摘する。現地には欧米系メーカーが多く、日本にいながらこれらのメーカーに製品を売り込むのは難しいが「メキシコなら欧米大手がそろう半面、競合サプライヤーはまだ少なく、受注しやすい環境がある」。取引する企業は日系に限らないだろう。